ひの自然学校とは
ひの自然学校は、公益財団法人社会教育協会が運営する社会教育実践機関「ひの社会教育センター」の自然体験、野外教育部門のことを指します。
子どもたちの発達団体か興味関心に応じて様々なことに挑戦できるようなプログラムや、50年以上の実践から生み出された知見を用いて指導者の養成などを行っています。
*子ども会事業(小学生~高校生)
*サマーキャンプ各種
*ウィンターキャンプ各種
*指導者研修各種事業
*企業研修や学校指導等
*自治体の地域課題をアウトドアのチカラで解決を目指す各種プログラム
ひの自然学校理念とその背景
2020年に世界を一変させた新型コロナウイルスとその対策と称した数々の取り組みは、一方で子どもたちや大学生、大人たちの価値観や人とのかかわり方に暗い影を落としてきました。その一つは体験機会の顕著な減少であり、様々な団体がこのことを指摘しています。様々な活動が徐々にコロナ前の取り組みに戻ってゆくなか、枠組みは戻っても特に大学生世代を中心に若者と呼ばれる世代の価値観は大きく変化しているように感じます。
ひの自然学校ではコロナ騒動が始まってからも社会の自粛ブームに反して活動をほぼ止めることなく継続して子どもたちの活動を実施してきました。自然体験活動が子どもたちに与える影響はこれまで多くの検証結果がサポートしてきているように明白です。子どもと自然がそこにある限り、どの時代にあってもそれは変わりません。
また、地球温暖化をはじめとして自然資源の急速な劣化は歯止めが利かないどころか加速する一方で、私たちが後世に託せるバトンの形はもはや予想がつかない状態まできています。しかしあまりにもマクロな課題にどう立ち向かってよいのか今一つ答えが出せないままズルズルと日々を過ごしてしまっていることもまた事実だといえます。
未来の社会の主体者となる子どもたちや青少年に向けて私たちできることは、考え判断をするための「よい行動指針や軸となるもの」を育んでいくための機会を創ることに尽きます。つまり種まきです。
ひの自然学校では、これらの社会課題の解決を目指し、アウトドア事業や自然体験を通じた以下のような取り組みを行っています。混沌とする世の中にあっても今や未来を生きる子どもたちがいきいきと日々を楽しみ、未来を見据えて希望を感じることがきるために。
野外活動によって育まれる、よりよい人間関係
野外活動・体験活動には「非日常性」があります。参加者の子どもや引率のボランティアリーダーにとっても日常とは離れた空間で生活や活動を行うことは適度な緊張感を与え、感覚を研ぎ澄まします。
野外活動には「共通の目標」が存在します。それは「衣食住」です。都市環境とは異なる生活空間で行われる活動での衣食住は、年齢や性別、経験値に関係なく共通に得られる経験です。その実現に向けては個人の努力が求められ、おのずと仲間との協力も求められます。「作られた仲間づくり」ではなく、必要性が結果としてコミュニケーション力の向上を育むものだと信じ、野外活動に取り組んでいます。
環境に配慮した野外活動体験から自然と人の付き合い方を学ぶ
私たちの生活は常に自然に負荷をかけ続けています。国際コンセンサスSDGsなどの目標にもある、「4.質の高い教育をみんなに」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」を実現させるために、日常的に確実な行動の積み重ねが肝要です。
その活動の第一歩として、「自然への愛着」に目を向ける取り組みも行っています。外に出かけ、外で遊び、自然の中に直接身を置く機会を得るなかから、自然を好きになること、外でできるアクティビティを好きになることを到達目標に掲げた計画を練っています。好きなものを大切にしようとする心をはぐくむキッカケを作り、それがやがて環境保全や自然保護などの思考へ繋がるものと考えています。そのため、全てのプログラムにはLeave No Trace(ミニマムインパクト)を実践できるような設計を心がけています。
団体加盟しているLeave No Trace Japan(LNTJ)および、一般社団法人コンサベーションアライアンスジャパン(CAJ)のネットワークを活かし、幅広いアウトドア事業者と情報を共有し、より多角的な視点からアウトドア事業に取り組める可能性が具体化しています。昨年度はこれまでなかったアウトドアショップや環境省へのプログラム指導を通じた価値の共有などが生まれています。
実践によって生み出した価値の外部への発信、共有
年間を通じた実践活動によって、取り組みへの多くの価値が生まれます。こうした成果を活動内に留めず広く社会にアウトプットし多くの関係者の理解と共感を得られる取り組みを進めています。
子どもたちの既知を広げる機会の提供
世の中は未知の事柄にあふれています。子どもたちが知る世界を広げ、考えのキッカケを与ることは大人の責務でもあります。ひの自然学校では、各分野の専門家や普段の生活ではなかなか会う機会のない方との協働事業を事業運営の重要な視点とし、外部連携をしながらプログラムを創っています。
ひの自然学校の加盟団体・ネットワーク
一般社団法人Wilderness Education Association Japan(WEAJ)
WEAは世界50カ国に指導者が広がる、野外指導者及び教育者の国際ネットワークです。長年に渡り、アメリカの野外指導者育成のナショナルスタンダードとして認めら、今日では野外指導者養成機関を持つ多くの国にグローバルスタンダードとして採用されています。ひの自然学校はWEAJの団体会員として、WEAのカリキュラムに基づいたスタッフの指導や冒険・自然体験プログラムを推進していきます。
特定非営利活動法人Leave No Trace Japan(LNTJ)
LNTJはアウトドアを楽しむ全ての人が、自然に対しても責任ある行動を取り、持続可能な関係を築くための行動指針を提供しています。ひの自然学校はLeave No Trace Japan(LNTJ)の公式パートナー団体で、LNTのコンセプトを取り入れた活動を意識しています。
一般社団法人72hサバイバル教育協会
体験学習を通じて、災害時に自助・共助出来るようになるための減災教育を行っている団体です。キャンプ活動はもとより、アウトドア活動全般と防災・減災教育は親和性が高く、体験学習を通じて主体的に学び、自分で考え行動する力を養うことができます。
一般社団法人日本アウトドアネットワーク(JON)
ひの自然学校は、野外活動民間事業者のネットワーク団体「NPO法人日本アウトドアネットワーク(JON)」が実施する「セイフティ事業者」認証を取得しました。これは業界団体が、一定の安全基準要件をクリアした事業者を認証するものです。今後も安全安心を目指した取り組みを進めていきます。
一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)
コンサベーション・アライアンス・ジャパンは様々なアウトドア事業者が手を取り合い、環境保全活動や自然との持続可能であるための活動や学習を行っています。ひの自然学校もこの趣旨に賛同しメンバーとして参画し、幅広い先端の情報や持続可能な取り組みを事業に反映させています。
日本キャンプ協会(NCAJ)
キャンプの人間形成に与える効果に注目し、キャンプの普及とキャンプ指導者の育成を推進する団体です。良いキャンプの創造のためにはキャンプの知識や技術を持った良質な指導者の存在が欠かせません。ひの自然学校は、楽しく安全に充実した活動を創り上げるために、指導者の養成に取り組んでいます。
株式会社パディ・アジア・パシフィック・ジャパン(PADI)
PADIは、ダイバー教育やプロレベルなどのジャンルにおいて、独立機関である「European Underwater Federation」と「The Austrian Standards Institute」により、国際標準化機構(ISO)の国際規格に適合していると認められた団体です。ひの自然学校では、PADIの提供する救急法プログラムをスタッフに提供し、アウトドアにおけるリスクや不測の事態に備えています。